Sunday, August 11, 2013

【知識編】Waldo 100K 完走に向けて


Waldo 100K事始め

来週の今日、自分がオレゴンでWaldo 100Kを走ってるということについて、まだ実感が持てないでいるレース一週間前の土曜日です。そもそもどうしてWaldo 100Kに申し込んだのかなということを思い出してみたところ、今年の2月にDogsorCaravan.comさんのブログ記事、「今から間にあう!夏から秋の北米・欧州のトレイルレースガイド」を読んで、まだ応募できる有名な大会があるんだ!と思ったのがまさにそのきっかけでした。3月1日のエントリー開始日にパソコンに張り付き、熾烈な?クリック合戦を勝ち抜き、全体で150人強という決して多くはない出場者の1人となったのでした。まだ5ヶ月前のことですが既に遠い昔のことのようです。もちろん自分にとって100キロのトレイルランなんて初めての挑戦でしたが、5ヶ月もあれば何とかなるでしょ!とのんきに構えていたのですが、結局のんきに構えたまま今日まで来てしまったと言っても過言ではありません。その頃の自分に今アドバイスできるのならこう言ってやりたいです・・・。もっと山、走っとけ!あと、体重せめて後5キロ減らしとけ!

 米国内ではそれなりに知名度があるレースということは知っていましたし、昨年Timothy Olsonさんが優勝したというくらいの情報は知識だけは1人前ですので持っていたのですが、どのようなコースなのかや、気候のこと、難易度はどれくらいかなど、自分が走るために必要な情報については驚くほど持っていないことに気づきました。いよいよレースまで一週間を切ったということもあり、今さらですが、Waldo 100Kについて勉強してみました。

Waldo 100Kのコースについて

ネットで色々と調べていく中で、「アメリカの100マイル/50マイル/アイアンマンレースの難易表」という面白い比較表をWhite blogさんのブログで発見しました。それによると、Waldo 100Kは、米国内の100キロレースの中だと難易度第3位のHurt Trail 100マイルの100K部門に次いで2番目に難易度が高いレースとなっています(ちなみに全米で一番キツイレースはHardrock 100マイルでした)。

 どうも単純に100キロという距離以上に大変なことが待っているらしい・・・。確かにWaldo 100Kのロゴマークを見てみると、山が3つ描かれてます。ということはやっぱり山を3つ越えないといけない・・・のかな?ロゴにはフィートでの標高は書かれていますが、フィートだとよく実感がつかめないので、メートルに直してみました。

Fuji Mountain 7144 ft / 2177 m
The Twins 7362 ft / 2244 m
Maiden Peak 7818 ft / 2383 m

 なるほど。でもトレイルランをやる癖してほとんど高い山に登ったことがないのでこれでもちょっと実感がわきません。そこで最も明確な比較対象である、日本が誇る最高峰で世界遺産となったばかりの富士山と比べてみました。

富士山 標高 3776m

 え?これ、3つの山の標高を合計すると、富士山の標高を軽く超えてるじゃないですか・・・(汗)。もちろん必ずしも全部の山の頂点に登るわけではないでしょうから、闇雲に恐れるのは良くないでしょうということで、Waldo 100Kのサイトに記載されているコース概要を読んでチェックしてみることにしました。

 コース概要ページのトップには、2011年の優勝者でコースレコードホルダーのDave Mackey氏の言葉が掲載されていました。

「今まで走った中で最高のシングルトラックレースだぜ!」

ふむふむ。これはいい感じの出だしです。

 Waldo 100Kはオレゴン州ユージーンから南東70マイルの距離にあるWillamette Passスキー場からスタートし、また同じ場所に戻ってくるというUTMBUTMFでもお馴染みのループコースのようです。コースは確かにDave Mackeyさんの言葉通り、ほとんどがシングルトラックのトレイルで、累積標高差は約11,000フィート以上、と。。。。ん?

11,000フィート(約3,300メートル)以上!!??

 富士山の頂上とまではいかなくても、0号目から8合目まで登るのと同じくらいじゃないですか!ヤバいです。これはヤバいですよ!

 しかも3つの山(Fuji Mountain、The Twins、Maiden Peak)を平均して2000フィート(約600メートル)程度は登り下りするらしいです。全ての山を頂上まで登るわけではないようですが、それでも600メートルとは尋常ではない高さです。600メートルといえば東京スカイツリー(634m)やアラブ首長国連邦にあるあの世界一高い超高層ビルのブルジュ・ハリファの軒高(ビル本体の屋根の地上高)とほぼ同じ高さ。それを登り下りしながら100キロ走ることになるって・・・やっぱりこのレース、ヤバい・・・素人お断りレベルのヤバいレースじゃないですか!さすがDogsorCaravan.comさんが取り上げるだけのレースです。Waldo 100Kのサイトにも「The course is not easy. It is not a beginner-level ultra and participation in the race should not be taken lightly.”(初心者向けのコースじゃないから軽々しく参加しちゃダメだぜ)」って書いてあるだけはあります。こんな半人前ランナーの私が参加させて頂いて果たして大丈夫なのでしょうか・・・?

 ちなみにコース上、最も高い標高はMaiden Peakの7818フィート(2383 m)(ということはこの山だけは山頂まで登ることになるんですね・・・)。最も低い所でもGold Lakeで4900フィート(1494メートル)という、コロラドの高地トレーニング並の高度でレースが行われます。正直、高度トレーニングなんて当たり前ですが一切してしていないため、ここでも動揺が隠せません。

【レース標高差】

(Waldo 100K Websiteより引用)

2013年の出場者について

2013年の今年、走る猛者たちはEntrants Listによると155人ということです。ちなみに日本人選手として、私以外に、私とは天と地ほどの実力差がある、エリートランナーの西城克俊さん(Bib#109)が今年出場されます!私のことはどうでもいいのですが、西城さんの走りには乞うご期待です!ちなみに私のBibナンバーは136です・・・。

 上位を争うことになると予想されているトップランナーとしては、男性では昨年のWaldo 100Kで第3位だったJesse Haynesさんが今年はどこまでいけるか、そして、若干17歳(!)の新星、Andrew Millerさんの活躍にも期待です。女性では、Paulette Zillmerさんが、昨年優勝者のJoelle Vaughtさんにどこまで迫れるかに注目が集まりそうです。

Waldo 100Kの歴史

せっかくですのでWaldo 100Kの歴史についても調べてみました。Waldo 100KはそもそもOregon Trail Series of ultramarathonsの1レースとしてスタートしたようです。Waldo 100Kができる前までは、このオレゴントレイルシリーズには50マイルを超えるレースがなく、Western States 100のような有名な100マイルもしくは100キロの長距離レースを地元オレゴンでも作りたいという現地ウルトラランニングコミュニティの有志によって0から作られたのがWaldo 100Kの始まりです。当時Willamate Passスキー場のボランティアパトロールだったCraig Thornleyさんがレースディレクターとしてリーダーシップを発揮したことも大きく、地元や警察の理解もあり、Waldo 100Kは全米でも有数のレースとしてスタートすることになります。ちなみにこのCraig Thornleyさん、2013年からWestern States 100のレースディレクターとなった、あのCraig Thornleyさんその本人です。

Waldo 100Kという名前の由来

Waldo 100Kの名前の由来ですが、ウェブサイトによると、ランナーがWaldo Lake(湖)を見れるのはコース上最も高いピークからだけで、実際にWaldo Lakeには行くことがないという、まさにレースのハイライトであるシーンから付けられたようです。Waldo Lakeがここからは見えるけど、どこに行けば辿りつけるの?「Waldo Lakeへの道を探せ!」そう、日本語では『ウォーリーを探せ!』という名前で有名なあの絵本の米国でのタイトルは『Where's Waldo?と言うのです。レースディレクターであるCraigさんの奥さんは、Waldoという名前を使うことについて、万が一本家?から訴えられたりしたら面倒だからやめといたほうがいいよ、と忠告したようですが、Craigさんは、まあそん時はそん時!と最初に決めたWaldoという名前をそのまま使うことを決めたようです。むしろ『ウォーリーを探せ!』へのリスペクト?として、「Find Waldo」賞(16マイル地点のMt. Fujiの頂上に最初に到着したランナーに与えられる賞まで作ってしまいました(笑)。
 
 このようにして2002年にWaldo 100Kは誕生し、Oregon Trail Seriesに加えられることにもなり、記念すべき第1回目のレースが2002年9月28日に開催される運びとなりました。第1回目のレースに出場したのは39人で、完走者はたったの15人と、完走率38%という厳しい結果でした。以下、これもサイトからの引用となりますが、2002年から昨年の2012年大会までの参加者人数と完走率の変遷をまとめてみました。地方の小さなトレイルレースが、いかにサイズ自体は大きく変えずに全米有数のレースに成長してきたかがここから見えてきます。


2002  (Sept 28;  15/39 = 38% finish rate)
2003  (Aug 16;  31/53 = 58% finish rate)
2004  (Aug 21;  33/47 = 70% finish rate)
2005  (Aug 20;  38/54 = 70% finish rate)
2006  (Aug 19;  47/67 = 70% finish rate)
2007  (Aug 18;  81/103 = 79% finish rate)
2008  (Aug 16;  83/105 = 79% finish rate)
2009  (Aug 22;  88/121 = 73% finish rate)
2010  (Aug 21;  107/123 = 87% finish rate)
2011  (Aug 20; 95/123 = 77% finish rate)
2012  (Aug 18; 91/112 = 81% finish rate)

最後に

これでWaldo 100Kについて皆さまにも何となくヤバさがお分かりいただけたかのではと思いますがいかがでしょうか?もちろん100マイルレースを走られているウルトラランナーの皆さんであれば、こいつ何甘いこと言っているんだ?と呆れているかもしれませんが、永遠の半人前トレイルランナーである私にとっては、これが現時点で今までの人生で最大の冒険ですのでご容赦ください・・・。さて、無事制限時間内でゴールできるか、それともDNFとなるか、結果はレース後にご報告いたします。ということで来週、死ぬ気で楽しんできます!

【Waldo 100KコースMap】


(Waldo 100K Websiteより引用)

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